【サウナとノスタルジア/第1回】私がサウナを愛した理由
私がサウナを愛した理由。
それは新卒で入ったおふろcafé utataneのサウナ大好き支配人、新谷さんの影響が大きい。
当時の私にとってサウナといえば、ひたすら熱い中耐えなければいけないもの。
しかも水風呂に入るなんて苦行のようなものと思っていた。
ところが、新谷さんによるアウトドアサウナに誘われ、今までのサウナの概念が覆ることに。
テントサウナで話ながらあっという間に蒸され、楽しく話している間にしたたり落ちる汗。
な、なんだこれは!たのしい!そこから私は、おそるおそるサウナの世界へ徐々に足を踏み入れていくことになる。
さらに衝撃だったのは、おふろの国で行われた熱波甲子園。
いろんな形のパフォーマンス、個性的な人々、受けている側の熱気と愛。
サウナってこんなに奥深いものでいろんな意味で熱いものだったのかと、衝撃を受けた当時の私。
まだまだサウナ歴の長さでひよっこであるが、そんな私のちょっとした回想録。
実は幼少期にアラスカに住んでおり、サウナが家にあり(アラスカでは多くの家がサウナを持っていた)、大きな湖が裏にあり、ムース(大きなヘラジカ)が水飲みに来ていた。
そんな恵まれた環境下だったがサウナに入った記憶がとんとない。
嗚呼、今戻れるなら サウナとあの大きな湖でととのうを経験してみたい。
ちなみに、おふろcafé utataneの水風呂の壁には、湖の大きな写真がある。
水風呂に浸かりながらその幼少のときに見た大きな湖ににたその写真をぼんやり見ながら徐々に目をつぶり、まるでその場にいるような錯覚をしながら水風呂に入る。
ふと 私の大好きな写真家、星野道夫さんの小説の中である一文を思い起こす。
「日々の暮らしに負われている時、もうひとつの別の時間が流れている。
それを悠久の自然と言っても良いだろう。
そのことを知ることができたなら、いや想像でも心の片隅に意識することができたなら、それは生きてゆくうえでひとつの力になるような気がするのだ」
そう、日々の生活はここ熊谷でもっと言うならば家とビバ―クの往復かもしれないけれど、ふとある別の時間が流れていることを思い出す。
冷たい水の中でぼんやりしながら。
そんなわけで、今では日々の生活の一部としてサウナがある。
もやもやしたとき、スカッと気分を変えたいとき、サウナで蒸されて水風呂で深く進攻休する。
するとだんだんもやもやが外にでていき、つめたい新しい空気が肺の中に広がるのが心地いい。
また新しい気持ちで明日からがんばろう。
[佐藤 瑞実(たまみ)プロフィール]
おふろcafé bivouac所属
スウェーデン生まれ、アラスカ育ち、実家は新潟。
出身はどこかと聞かれると少々困ってしまいます。
おふろcafé bivouacで勤務しながら、フィットネスインストラクターとしてシルクサスペンションのレッスンを主に担当。
時々アウフギーサー。時々飲兵衛。
■おふろcafé bivouac https://ofurocafe-bivouac.com
おふろcafé bivouac(ビバーク)は、おふろcaféブランドにアウトドアのわくわく感をプラスした、23時間営業の「遊べる」おふろです。
テントや暖炉、ボルダリングなどがあるこだわりの世界感の中で、おふろはもちろん、カフェやお食事などをお楽みいただけます。