サウナよっ!温泉よっ!〜井上 勝正(サウナそのもの)〜
ボクは思春期の頃から大阪の銭湯に入って先ず地元の荒くれ者の方々に入浴作法を強引に伝授され水風呂に放り込まれ、学校では当時の不良からカツアゲされてサウナで泣き、それ以来誰もいないサウナで腕立て伏せや腹筋を行い目標回数に届かず泣き、大好きだったあの娘にフラれた時もサウナで泣いた。家業の印刷屋が倒産した時も当然サウナで泣きわめいた。
地元大阪のサウナにはボクの青春の汗と涙が染み込んでいる、つまり自分の辛い部分が今でもそこに居る。
ボクがサウナにあまり入らなかったのはプロレス時代だけだ。
プロレスを行っていたボクは流す血も汗も涙もリングが吸い込んでくれたからだ。
上がるリングを失ったボクがまたサウナに還るのは必然だったということ。
ボクはサウナに入る自分に対しいつもこう呟く、「お帰り、オレ。」
自分はより自分になるだけだ、それに対し想いを寄せることは単に自分の過去を美化しようとしているに過ぎないのだ。
井上 勝正
Twitter @307inoue
2009年プロレス廃業後、ファンタジースパ&サウナ おふろの国に入社。
ロウリュ熱波を日本各地の温浴施設で実演実施、熱波道設立の礎を築く。
またライターとしても様々な母体で執筆、メディアが最も注目する熱波師である。