【看護師のぞみの Heaven’s feeling/第2回】全集中サウナの呼吸をしつつ
なにかの依頼が来たときには、書くでも描くでも撮るでも撮られるでもなんでも、取り敢えず脱ぐ仕事以外は全部受けようと思って取り組んでいます。
結果的にこうやって脱ぐ(※脱がないとお風呂にもサウナにも入れないので……結果的に、結果的にね……)お仕事をさせて頂いております。
さて、時代は令和。
ときは空前絶後の呼吸ブームです。
コミックス累計1億部を発行、10月16日にはファンの間でもかなり人気の無限列車編の映画が公開になる鬼滅の刃では、必殺技のような意味合いで『呼吸』が使われます。
『全集中の呼吸』をすることで、身体中の血の巡りと心臓の鼓動が早くなり、体温が上昇し、人間のまま鬼のように強くなれるそうです。
要するに呼吸器系と循環器系の強化・活性、それに伴う身体能力の増強ってところですかね。
ところで皆さん、呼吸、してますか?
生きとし生ける全てのものは、だいたいしてると思うんですけど。
はい、深呼吸してください。今。
深~~く、大~~~きく。
今してもらった呼吸は、医学的な言い方をすると『外呼吸』といいます。
肺で大気から酸素を血液の中に取り込み、二酸化炭素を放出しています。
外肋間筋と横隔膜が収縮して胸郭が拡大して胸腔内圧が低下して云々かんぬん……って難しいメカニズムもあるんですけどそこは取り敢えず置いておいて。
ちなみに血液の中に取り込まれた酸素が細胞に送られて、二酸化炭素が血液に溶け込んで肺まで送られることを『内呼吸』または『細胞呼吸』と呼びます。
わたしは意識して深く呼吸をするときに、この外呼吸と内呼吸を、よくイメージしています。
看護学生のときは大っ嫌いだった分厚くてくすんだ青い重い分厚い解剖生理学のテキストに書いてあった模式図みたいなものを、目閉じて呼吸を繰り返しながら、思い出します。
呼吸、してる。
生きてる。
細胞の中のミトコンドリアに酸素を渡してる。
エネルギーを産み出してる。
そうすると少し元気になるような、そんな気がしています。
特に大きな呼吸は、サウナでよくします。
サウナに入り始めた頃は、鼻や喉が熱くて痛くて全然息が出来なかったけど、やっとどうにか呼吸がままなることが多くなってきました。
肺を湿らせるようなイメージで、鼻から吸って、口から長く細く吐く。
腹式呼吸。
最近はよくサウナでアロマを炊いていてくれるところをよく見ます。
呼吸が楽で、好きです。
サウナで大きな呼吸を繰り返してると、余計、生きてるって感じがします。
呼吸をしながら、体温が上がる。
汗をかく。
心拍数も上がる。
裸で自分と向き合ってる。
最近一番『生』に近いところが、葬儀屋から看護師になったわたしには、サウナのような気がしてならないのです。