【看護師のぞみの Heaven’s feeling/第3回】
まいど!看護師サウナーののぞみです。
わたしのこの投稿が掲載される頃には終わっているのですが、11月16日(月)にファンタジー サウナ&スパおふろの国で開催される、大サウナ博に行きます。
どうやら救護班として参戦する予定です。
看護師なので。
看護師なので……(スペースキャット顔で虚空を眺めながら)
写真:実家のねこです
プログラムを確認してみると、ライブ、表彰式、プロレス、サウナでスター熱波師ヒットパ レードと書いてあります。
なにそれわたし普通にお客さんとして参加したい。
さて、看護師が救護班として参戦するということは、要するに病人怪我人の看護を担当する というということです。
看護師……なので……(スペースキャット顔)
写真:実家のねこたちです
確かにわたしは看護師です。
現在は訪問看護師として勤務していますが、一番キャリアが長いのは集中治療室。
その前が 救命救急センターという部署で勤務をしていました。
でも流石に今までプロレスで運ばれてきたひとも、サウナから運ばれてきたひとも……看た こと……ないなぁ……。
と、いうことで今回は自分のためにプロレス、サウナで起こりうる症状等を挙げつつ、それ に対するファーストエイド(応急処置)を考えて、覚え書きを残しておきたいと思います。
困ったら目の前の東部病院。
困ったら#7119に電話。
(※横浜市救急医療センター=病院に行くか、救急車を呼ぶか悩んだときに看護師さんが緊 急性や受診の相談に乗ってくれます)
(お住まいの市町村に同様のサービスがあるかどうか確認しておくと、いざというときに役 に立つかと思います)
のぞみ「とはいえ、プロレス特有の症状って……?ケガ……?」
事情通「ガングリオン」
のぞみ「待って」
事情通「プヲタはみんなプロレスを観ててガングリオンを知ったんだよ……」
のぞみ「一旦長州は置いといて」
事情通「外人レスラーの内臓疾患での休場はステロイドが原因」
のぞみ「待って……」
取り敢えずガングリオン(主に手の関節に出来るゼリー状の腫瘤)でお困りのかたは整形外科 にかかってください。
あと念のためですが、ステロイドによる筋肉増強はお止めください。
内臓がボロボロになり ます。
取り敢えずザッと思い付く限りの外傷、症状、疾患は以下の通り。
創傷(皮膚表面のけが)
打撲
脱臼 肩など
靭帯断裂 膝、足首など
骨折首、腕、眼底など
けがは清潔を保って止血をする。
お風呂なので幸い流水やタオルに困ることはなさそうで良かった。
きれいに洗って圧迫止 血。
スポーツ外傷の応急処置はRICEと言われていますね。
Rest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字です。
冷やしてテーピングして心臓より高い位置に挙げて動かさない。
どうやら最近はこのRICEを、RestをPに置き換え、Oを足してPOLICE処置と言われている らしいとTwitterで知りました。
PはProtection(保護=ギプスや装具などでの保護)、OはOptimal loading(最適な負荷=適切な 運動を早期から実施)らしいです。
わたしに出来る処置はRICEまでです。
あとは『病院行ってぇぇえええぇぇ』って叫ぶくらいですね。
あくまで応急処置ですから。
頭部外傷 脊髄損傷 骨盤骨折 放っておくと死ぬタイプの外傷も、万が一のことを考えていちおう念頭に入れておきます。
受け身が取れない状態で高いところから、頭や腰から落ちた場合など、特に注意。
もうここまでくるとまずは大至急救急車呼ぶ。
意識の有無やレベルを確認する、呼吸や脈、 血圧などの生命維持の機能が無事か確認する、痛みの有無や程度を確認する、首が怪しそう な場合は真っ直ぐ首を動かさないように支えてる(用手的頸部正中固定)くらいでしょうかね ……。
プロレスに限ったことではありませんが、スポーツの際にはストレッチ(特に動的ストレッ チ)でけが予防。
大切です。
わたしも念入りに肩をあたためてから救護班の仕事をしたいと 思います。
さて続いてはサウナで起こりうる症状。
のぞみ「ってもほぼ脱水だよね」
事情通「……無人のサウナの階段で足を踏み外す」
のぞみ「うん、待って。それいじっていいタイプのネタ……?」
事情通「誰とは言わないけどさ……、誰とは……。でもそんなはなし聞いちゃったからには ……」
のぞみ「まずはどうにか大声でひとを呼ぶ。そしてRICE。以上」
まぁそんなトリッキーな事故が起こる可能性もゼロではありませんが、サウナで具合が悪く なるとするとこのあたりが考えられるかと思います。
脱水
脳貧血(起立性低血圧)
水風呂による低体温
まず脱水。
要するにサウナで汗をかきすぎて水分、ナトリウムを失ってしまう。
そのため喉の渇き、頭 痛、吐き気や嘔吐、倦怠感や脱力感、尿の色が濃くなる、少なくなるなどの症状が出現。
重 症だと幻覚や興奮などの精神症状が出てきたり血圧が低下してショック状態に陥ることも考 えられます。
よもや良い大人が重症例に至るまで気が付かないということはないと信じているので、なに か不快な症状が出たら無理せずサウナから出る!
そして自動販売機に走る!
スポーツドリン ク的なものを飲んでゆっくり休憩!って感じでしょうか。
まずサウナに入る前にしっかり水分とナトリウムの補給をしてもらうことも大切。
予防でき るものはしっかり予防しましょう。
脳貧血(起立性低血圧)
座っていた状態から立ち上がったときに、自律神経の働きで心臓から十分に血液が送られな いことによって、立ちくらみやめまいが起こります。
下手すると失神も。
特にサウナでは身体があたたまり血管が拡張、汗で血液の水分が失われていることが考えら れるので血圧が下がりやすい状況にあります。
これはまず横になってゆっくり休んでもらう、十分な水分補給をしてもらう、そして立ち上 がるときはゆっくり様子を見ながら立ち上がってもらうなどの対策が必要です。
最後に水風呂による低体温。
ドラマサ道でも、水風呂に浸かりすぎてナカちゃんさんが具合悪くなるシーンがあったと思 います。
わかる、わかるよ、水風呂がメインディッシュ的なところ、あるもんね。
でも身体 を害してまで入っちゃだめです。
ちゃんと自分の体調を見つつ、やりましょう。
万が一身体が冷えてしまって具合が悪くなったひとを見付けた場合の応急処置は、第一に身 体を暖めるなのでタオルをかけてあげて水分を拭き取り、服を着てもらって温かい飲み物を 飲ませてあげる のが良さそうです。
身体は暖まるかもしれないけど流石にサウナやお風呂は具合が悪いひとには刺激が強すぎる と思うので……。
よし、大サウナ博で救護をするための予習は完璧!!!
不測の事態が起きた場合には来月の原稿でネタに……するんだ……。