【看護師のぞみの Heaven’s feeling/第4回】あのとき外気浴で泣いていたあなたへ
どうも!
サウナー看護師ののぞみです。
そろそろ外気浴が辛くなってきた時期ですね。しっかり身体が暖まったらそんなことないのでは?と思われるかもしれません。確かに。それか水風呂後の休憩をするなら室内が良いのでは……?と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。それも確かに。
それでも外気浴が、好きです。
不規則な風が身体を撫でるのが好き。
春の柔らかくて少しセンチメンタルな風も、夏の陽射しが乗っかって生暖かい風も、秋のちょうどよく体温を奪っていく風も、冬の刺すような風も、大好きです。
少し前に、サウナ→水風呂→外気浴のハッピーぐるぐるループでうっかりバターになりかけていたとき(元ネタが一時発禁になっていたので一定の世代にはわからないタイプのジョーク)、メインディッシュ外気浴で脳汁出るわぁ……、と目元にタオルを置いてぼんやりしていました。
グスッ……、グス……
サウナの後って少し五感が敏感になる感じがあると思うんですけど、耳が明らかに異質な音を拾う。見なくてもわかる。誰かが近くで泣いてる。
タオルを口元にずらしてチラッと横を見ると、案の定少し離れたととのい椅子で、女性が(※当たり前ですけど)泣いていました。
サウナで泣きたくなる気持ちは、すごくよくわかる。わたしもよく泣きたくなります。
自分の輪郭が少しぼやけて、自分と宇宙が近付く感覚がある。多幸感と一緒になぜか死にたい気持ちが溢れてきて、色んなものがない交ぜになる感じ。まぁこれについてはまた後々書かせていただきたいとは思いますが。
(でも、私みたいに感じるのってどうやら少数派なんだよなぁ……)
どこか痛い、具合が悪い?
それなら多少対応は可能だと思う。だってわたし、看護師だし。
でも例えば、実はこのスーパー銭湯にくる直前に旦那とケンカした、なんだったら若いオネーチャンとの長年の浮気が発覚したとか、予期しない離婚をなぜか義母から切り出されたとかだったら、わたしにはなにもできない。しかも泣きかた的にはこっちのほうがイメージに近い。これは完全に女の勘、的なアレ。今回は確認しようがないけど、割りと的中率が高くてよく気持ち悪がられます。
たぶん出る幕ないな、と思いつつ、お節介だよな、と思いつつ、声をかけました。
「大丈夫ですか?具合、悪いですか?」
「大丈夫です」
大丈夫じゃなさそうなひとに『大丈夫ですか?』って声かけるのって良くないんですよね、『大丈夫です』って答えちゃうので。
『ダメそう?』って声をかけるのが正解らしいのですが、面識もない女性に、なんて声かければ良かったんですかね。
結局女性はわたしが露天スペースから出るまで、泣いていたようだった。
あのとき外気浴で泣いていたあなたへ。
お元気ですか。
たまにあなたが泣いてたことを思い出します。
泣ける場所がお風呂って、少し、いいなって思いました。気持ちよく泣けたでしょうか。
そのあと、笑えたでしょうか。
どこかのお風呂であなたが幸せな気持ちになっていることを、わたしは、祈ります。