【看護師のぞみの Heaven’s feeling/第8回】用法容量を守って正しくお使いください
どうも!
看護師ののぞみです。
街銭湯も、スーパー銭湯も、スパ施設も全部好きです。
今は通ってないけど、スポーツジムのスパ、サウナも良いよね。好き好き。
そもそもお風呂があれば概ね満足だし、サウナがあれば100点満点。サウナの温度が多少低かろうが、水風呂が温かろうがきっとなにか意図があるんだろうなと思って、それを探ったりします。私が快適だと思う温度湿度と、平均的に心地が良いものが違う可能性もあるので。
ハード面は各お店お店ごとに、なにか哲学がきっとあるんだろうなって考えます。そう思うとちょっと違和感を感じても優しい気持ちになれます。
でもたまに優しい気持ちになれないのは、
「この間雑誌でね、この血圧の薬は飲んじゃいけないって書いてあって。それで辞めたの」
「あら奥さんそうなの、私も脳梗塞のケがあるって言われて飲んでた薬がね、納豆食べちゃいけないって言われて辞めたのよ」
この会話。こんな感じの会話。ソフト面。むしろお客さん。
これ、私結構な確率で遭遇する会話なんですけど、皆さんどうなんですかね?
血圧、脳梗塞や心筋梗塞(血液をサラサラにする薬)、糖尿、便秘、痛風、物忘れ……。色んな薬を飲んだり、飲まなかったり(※自己中断)、まぁだいたい自己判断で勝手に中断したって話が聞こえてきます。聞き捨てならねぇ。
あまりにも遭遇するのでどの温浴施設にもアトラクションの如く定時定時で同じ会話をするおばちゃん2人組を配置してるんじゃないかとも感じてしまうのですが、看護師だからカクテルパーティー効果な感じで選択的に会話が耳に入ってきてしまうのか。
確かにご高齢の方は総じて薬を飲んでいて、自分で管理できないほどのたくさんの薬を飲んでいるひとも、かなり多い。中にはポリファーマシー(多剤併用、有害な事象を指すことが多いので、薬漬けと同義で使われていることが多いことば)といって本当に必要がない内服もあるのだろうとは思うけど、必要な内服を飲まないことは命に関わることもある。だからせめて、新聞雑誌テレビのワイドショーの情報を鵜呑みにする前に、処方をした医師に相談して欲しいと思う。まぁそもそも相談できる関係性が築けていたらこんなことにはなっていないと思うので、そこに関しては薬を飲まないことを選択してしまった当事者だけに問題があるとは思えないのですけどね。
さて『例の会話』について。
やっぱり銭湯での裸の付き合い、裸の距離感が、そういうことを話させてしまうんだろうなと思う。あと声が大きい。
(それか本当にこの手の会話って本当にいつもどこでも話されていて、私がたまたまご高齢の方とバッティングするのがお風呂なだけなのかどちらか……)
この間、スカイスパ横浜に行った。
横浜駅直通。オシャレスパだ。
珍しく、ご高齢の方はおらず、ソロのお客さんが多かったように見えた。
(静かだ……)
水音しか聞こえない浴場。湿度が高くて息がしやすい静謐なサウナ。
奥の窓からは横浜の夜景が……(見えるらしい)(見なかった)
なんだか物足りない。
ひょっとしたら私は高齢者の会話を聞くのを楽しみにしているのかもしれないと、ちょっと思った。今度見かけたら声かけてみようと思う。看護師です、って。
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