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【大西一郎 ある視点/第4回】サウナ歌謡の決定盤

大西一郎

サウナ歌謡って何やねん。

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

私も思います。

 

ですがともかく、サウナ歌謡の決定盤、

「大西一郎 全曲集」が発売されたので、

今日はその解説をさせて頂きたいと思います。

 

サウナ歌謡歌手と名乗るからには、

サウナの中でお歌を歌います。

さすがのJ烈さんもサウナの中まで入って歌わないだろう、

ということで、

ラジカセを首から提げて。

隙間産業にも程があります。

あまり求められている感じはしませんが、

とにかく私が、サウナ歌謡のパイオニアであることは

間違いありません。

一人しか居ませんから。

 

今回の全曲集、ベストアルバムは私の持ち歌全10曲、

全て収録されています。

ジャケット写真撮影はケアケア所属、OFR48メンバー、くりりん。

おふろの国の開店10分前に、浴室を駆けずり回って撮ってもらいました。

デザインはVillyバルコニーでお馴染みのVillyさん。

高速道路のサービスエリアで売ってる感じにして下さいとお願いしたら、

まさにイメージ通りに作って下さいました。

 

一曲目

「ケアケア~あなたのお世話をしたいの~」

Villy先生が曲を書いて下さった、

わがケアケアのテーマソングです。

「ケアケア ケアケア あなたのお世話をしたいの」

と、最後のところだけ歌詞が入った譜面を頂き、

私が生まれて初めて作詞をしました。

自分でもびっくりする程辛気臭い歌詞になりました。

テーマソングなのに……。

 

二曲目

「サウナ船」

荒波、日本海、大漁旗、なんとか船、みたいな、

ド演歌が歌いたいと思って書いた歌です。

サウナを一隻の船に例えて、世間の風は冷たいけれど、

サウナの中で熱い風を浴びて乗り越えようというような歌です。

何年か前の大サウナ博で初披露した時に、

「大風呂国雄先生に詞を、江戸英一先生に曲を書いて頂きました。」

と言いたいがために、架空の人物をつくり出しました。

誰か先生に書いてもらったと言った方が箔が付くと思ったからです。

「大風呂国雄」は「おふろの国」

「江戸英一」は私の所属するリラクゼーションの会社、「エーワン東京」が由来です。

 

三曲目

「露天宇宙」

サウナ魔法兄弟(箸休めサトシと私)で、露天風呂に宇宙人を呼ぼう、

という謎の儀式のために書いた歌です。

サトシさんに、何か宇宙人に交信する時の言葉を教えてくれと言ったら、

「すー……すー……ぱー……」みたいなことを言ったので、

そのままあのフレーズになりました。

余談ですが、私は昔ロシア語に興味を持ったことがあって、

その時に買った、ゼロからはじめるロシア語という本の一番はじめに登場する、

「ヤー チャーイカ」(私はかもめです)

という例文。

いつ使うねん、と思っていたのですが、

これは、世界初の女性宇宙飛行士、ワレンチナ テレンシコワさんが、

宇宙から初めて発した言葉だそうです。

チェーホフの戯曲の台詞でもあるそうですが、

「かもめ」というのが、ワレンチナ テレンシコワさんのコールサインで、

「こちらかもめです。」というニュアンスに近いそうです。

というわけで、「こちらかもめです。」みたいな気分で、

「アーこちら地球人」と歌っています。

何が、というわけなんでしょうね。

個人的に、この歌が一番気に入っています。

 

四曲目

「テントサウナ慕情」

おふろの国の駐車場にテントサウナが建ったことがあって、

周りは車がブンブン走る国道、きったない鶴見川が流れているけれど、

テントの中は別世界で、炎を見て癒されたその時の気分を歌っています。

テントサウナブームに乗っかろうとしましたが、全然乗っかれませんでした。

曲調は、なんとか船よりはいくらかほっこりした感じの、ド演歌です。

 

五曲目

「親指の恋人」

数年前、バレンタインデーに行われたOFR48単独ライブと、同時に発売された私のCD用にVillyさんが書いて下さった曲です。

例のごとく、「親指の恋人」という部分のみ歌詞が入った譜面を頂いたのですが、

同時に、歌詞についてVillyさんから、

「80年代アイドル風で、テーマはバレンタイン、足裏マッサージが得意な、ちょっと猟奇的で、情緒不安定な女の子のイメージで。」

という要望を頂き、大変悩みました。

もうすぐ録音をする、という直前まで、一行もできていなかったので、

もう、何でもいいから書くしかない、そうだ、関西弁にしよう、

と決めたら、10分で書けました。

要望とは違うものになりましたが、Villyさんも面白いと言って下さったので、

そのまま録りました。

録っている最中に思いつきで、台詞みたいな感じで、「どないやねん」と入れて欲しいと

お願いして、3パターンほど録音しました。

完成した音源の、「どどどどどないやねーん」を聴いた時は感動しました。

 

六曲目

「あかすりブルース」

私が一番よく歌う歌です。

おふろの国の林和俊店長が、

「コッスルコッスル~」と口走ったのをヒントに出来た歌です。

あかすりを受けた後、自分の肌を触ったときの、

何か自分が上等なものになったような、

あのいい気分を表現したいと思って書きました。

曲調は韓国歌謡を参考にしました。

振付はあかすりの動きそのままです。

文字にして見るとすごい歌詞ですね。

お子様には聴かせられないです。

 

七曲目

「サウナ夢街道」

サウナそのもの井上勝正さんと、サウナ王太田広さんの、YouTube番組、

「サウナ夢街道」向けに書いた歌です。

林和俊店長から、「トラック野郎のイメージで、俺とお前のなんちゃらかんちゃら。」

という構想を頂いて、わりとすんなりできた歌です。

ただ、井上勝正さんの口癖、「◯◯ざるを得ない。」という言葉を歌詞に

入れたくて、なかなか音符にはまらなくて苦労しました。

実際のYouTubeの番組の中では5秒ぐらいしか使われていなくて悲しかったのですが、

最終回に私を出して下さって、歌わせて頂けたので満足しました。

 

八曲目

「あゝフィンランド」

「ザっくりととのうサウナ入門 」でお馴染みの、サウナ活動家やのしんさんから

アドバイスを頂き、フィンランドのスモークサウナを題材に書いた歌です。

「オーロラ」「犬ぞり」「湖」「コテージ」「サーモン」「白樺」とか、

フィンランドから連想する言葉を適当につなげたら、

なんとなく物語になって、これもわりとすんなりできました。

ただ曲は、一応フィンランド民謡も参考にしましたが、

元々私の好きなロシア民謡にどんどん寄って行ってしまいました。

私は、自分のパソコンの作曲ソフトに元々入っている音しか使っていなくて、

本当はロシアのバラライカという楽器の音が欲しかったけど無かったので、、

代わりに仕方なく、南米のバンジョーという楽器の音を使いました。

これもやのしんさんに頂いたヴィヒタを持って踊る振付は、

下関の八丁浜踊りを参考にしました。

踊ると白樺の葉が飛んで散らかるので、いつも怒られます。

 

九曲目

「こころ沸かして2020」

林和俊店長が、「大西一郎の次の新曲はきっと、こころ沸かして2020」

と、どこかに書いていらっしゃったのを見つけて、本当に書きました。

ばかばかしく聴こえるかもしれませんが、

コロナの自粛期間の真っ只中に、色んなことを結構真剣に考えて、

その過程でできた歌です。

生とは死とは、自由とは不自由とは、愛とは幸せとは、とか……

結局、人間は明日死ぬかもしれないけど、今日は生きているなら、

そのことを喜べば良いのではないかというような、

自由でなくても、生きていれば自由を思い描くことができる、

死んでいたら想像することもできない、とか、

そういうぐちゃぐちゃな考えを、

たとえ風呂屋に行けなくても、

生きていれば大きな風呂に入っていることを想像することはできるよね、

っていうめちゃくちゃな理論でまとめた歌です。

 

十曲目

「ほうじ茶ロウリュ」

商品には曲名や歌詞が書いてありませんが、突如十曲目に入っている、

隠しトラックです。

なぜ隠しトラックなのかというと、印刷に間に合わなかったからです。

オルカ宇藤のほうじ茶ロウリュのテーマソングとして書こうとしたのですが、

曲調は辛気臭く、歌詞も、「ほうじ茶」「香ばしい」「香り豊か」から全く広がらず、

完成しなくて困っていたのですが、

もう、上手いこと比喩表現で書こうとせず、そのまんまで行こうと決めた結果、

「オルカ宇藤」という人名がそのまま出てくる歌になりました。

ご本人にも一応、名前を歌詞に入れて良いかどうか、権利とか問題ないか確認したところ、

「全然大丈夫っす!むしろありがたいっす!」

というお返事を頂きました。

宇藤さんは本当に、気持ちの良い返事をしてくれる人です。

 

以上10曲、サウナ好きなら是非一枚、

大西一郎全曲集。¥2,600

サウナ活動のお供に、お手元に置いて頂ければ幸せです。

よろしくお願い致します!

 

ネット通販でもお買い求め頂けます。

https://g-sauna.com/items/5fa3cf058a457258c009842c

 

 

 

[大西 一郎 プロフィール]

1980年12月23日 兵庫県生まれ。
おふろの国リラクゼーションコーナーケアケア店長、サウナ歌謡歌手。