【新橋アスティルサウナ屋 斉藤 英明コラム/第1回】
はじめましての方も多いかと、新橋でオアシスサウナアスティルの
裏方のお仕事をさせて頂いております
齊藤英明と申します。
宜しくお願い致します。
この度、日刊サウナ林様より
「サウナをもっと日本の生活に娯楽に」への連載をお願いされ、プライベート的なブログや店のFacebookやTwitter
程度した書き込む事のない私ですが
「サウナ屋」として書いてみる事と致しました。
不慣れがゆえにお見苦しい事多々あるかと思いますが、お許し下さい。
今日は私の仕事場オアシスサウナアスティルと私との関係をお話しさせて頂きます。
アスティルはこの7月をもちまして、開業から17年を迎える事が出来ました。
私は開業前からのスタッフですので、随分と長くお世話になっております。
その中でサウナ屋として仕事を始めたのが、10年前の2010年春からで
それより以前は飲食部門でアスティルのオープンから携わっており、他に銀座や新橋、五反田で数件の飲食店を立ち上げて、店舗のマネージメントをしておりました。
小さなお店が多く、お客様と近いので味の事、サービスの事などダイレクトに話が聞け
私自身がお酒好きで、食べるのも好きだったので、合っている仕事でした。
で、その頃はサウナが好きかと聞かれたら「べつにー」と答える様な人間でした。
そんな私がアスティルサウナの舵取りを任された訳です。
まだリーマンショックの影響やらで、大変な時期でしたが、今も一緒に働く頼り甲斐のあるスタッフ、同業の諸先輩方やサウナ好きの方からの温かく、時には耳の痛いお話しをいただき、それを真摯に受け止め改善していく事により
少しずつアスティルがサウナ好きの皆さんから認めてもらえる様、頑張って参りました。
もちろん色んな同業店にもお邪魔させていただき、学ばせていただき、良いものはパクリました。
そんな私もサウナの良さを理解できるようになり、サウナ室や水風呂にも自分テイストを入れる様になり、それがお客様から褒められたり喜ばれたりすると、嬉しい私になってきました。
そんな中、お誘いを受け参加する様になったフィンランドビレッジでのイベントそこは、店舗では味わえないサウナの良さ、楽しさを体験出来る場所でした。
と言っても、私が感じたそれは少し一般のサウナーの方とは違うものでした。
イベントでの私の役割は、薪つめ、水汲み、ロウリュと言った具合で
サウナを楽しむでは無く、サウナで楽しでいただく事なんです。
イベントでは距離も近いので、楽しんでくれている皆さんの笑顔や「気持ち良い」「ととのうわ〜」「ありがとう」の言葉がダイレクトで
ロウリュやアウフグースをすれば、サウナ室は歓声と悲鳴が入り乱れるんです。
「サウナ屋」冥利に尽きる出来事だったのです。
店では、電気ヒーターのサウナストーブ、自動で水や風が吹くオートロウリュ
ある意味機械がお客様をととのえてくれますが、自然の中では、全てが手作業、気を抜いたり体を休める暇はありません。
イベントが終わりサウナテントや機材を片付け、長野からの帰り道、同乗者はみな夢の中
最後の力を振り絞り、皆を送り届けて自宅に着いたころには疲れもピーク
翌日からの仕事は老体に鞭打ってヘロヘロ状態、でもサウナを楽しんでくれた皆さんの笑顔と感謝の言葉が私の心に強く残って、アスティルも、もっとお客様にととのいと感動を与えなくてはと頑張れる、サウナが仕事から家業「サウナ屋」になったんでしょうね
以前から、素人ながら建築や機械物が好きで自分でこちょこちょやるタイプ、装置産業であるサウナは私にとって興味を持てば奥深い世界でもありました。
それからは図面や説明書だけではなく、ばらしたり外したりくっつけたり時には壊したりと色々とみてやってみました。
オリンピック需要もあり業者さんや職人さんのたちの人手不足も深刻になってきた事も後押しする部分となり、何でも自分達でやってみる様になって行きました。
最初にお話した通り開業から丸17年が経つ施設にとって、私を休ませてくれる暇はありません。
毎日のように作業服や短パンに着替えあれやこれやのです。
そんな中でお客様に最善のサウナ、水風呂、お風呂の気持ちが強くなり
リクライナーもレストランもリラクゼーションもどんどん広がります。
オーナーの顔色を窺いながら稟議書提出です。
ガウンやカジュアル館内着、フェイスタオルにバスタオルパンツの果てまでこだわりを待ちアメニティー、カミソリ、歯ブラシにも神経を注ぎます。
いただくお代の中で出来得る限り、良いものを心地よい物をご提供する事
そして最高のパフォーマンスを装置達に発揮させるそんなサウナ屋目指して頑張ってます。
もちろん接客面でも人手不足が深刻な中でも、妥協なくやってきたつもりです。
そんな思いと、サウナブームの後押しもあり2019年は私共にとり、レコード記録の連続で現場の支配人やスタッフは嬉しい悲鳴の連続でした。
私も色々な方との出会い、アスティルと言うサウナのいろんな評価を聞かせて頂く中で
もちろん全てが出来ている訳ではありませんし、ご批判のお言葉も御座いましたが
小さなことでもお客様は見ていてくれているなと実感出来る事も多くなって
まだまだやらなくっちゃの思いが強くなっておりました。
年が明け1月も絶好調の売上、今年はあれとこれ稟議書だしてと皮算用でした
が2月にはコロナが本格化し始めアスティルも3月からはお客様が減少し始め
4月は休業要請に伴い休館の運びとなりました。
社員とアルバイト全員を自宅待機とし、補償をしっかり行うので今はステイホームでとお願いし、待機してもらう中、私は一人電車ではなく車で通勤し、日頃は出来ないメンテナンスをしていました。
昼は奥さんが作ってくれたお弁当食べて、見えないコロナとの闘いの中、私は風呂場で戦っておりましたが、お店の電話を作業中は転送でスマホで受けておりました。
4月の中旬、まだ休業が始まったころは「サウナやってる」「営業してます」的なお問い合わせが多く「申し訳御座いません休業しております」がやり取りのほとんどでした。
ゴールデンウイークの最中に休業前は毎日欠かさず更新していたFacebookとTwitterを少し更新すると電話でも「メンテナンスしてるんですね 営業再開楽しみです。」や「コロナの中大変ですね」など書き込みにもある様に、温かなお話しいただきました。
その後5月も中旬ごろからは「まだ営業しないの」「何時からやる予定」「サウナ入りたいんだけど」「コロナじゃなくってサウナ入れないと体調崩れる」「サウナと水風呂だけでも営業してよ」等々毎日50件以上のお電話をいただく事になりました。
その度に「申し訳御座いません 小池都知事がサウナの休業要請解いてくれないんで」と謝る私、数ある電話の中には「大変だよね サウナ辞めないでよ頑張ってね」「大丈夫ずーっと休んでるけどお金あるの」「アスティルなくなったら俺困るから再開したら毎日行くし」等嬉しい励ましの言葉も、アスティルが地域の方々に愛され必要とされている事を実感致しました。
コロナ禍の中「新しい生活様式」が求められております。
アスティルも(7月8日現在)営業を再開しているものの、通常の約半分での入館規制
サウナ室、レストランでの密を避ける運用、リクライナーの間引き運用等
お客様には大変ご不便をお掛けしておりますが、お客様皆様にご協力をいただき
何とか営業させていただいております。
第二波、第三波が来ることも十分予想される中、サウナが出来る事を皆さんにしっかりお伝えし、体調管理や健康維持のためにサウナを利用されるお客様が多い事も今回の営業自粛の中で再認識出来ましたので、サウナ屋として今後も皆様にととのう、気持のよいサウナを提供できるよう頑張ってまいります。
ここまでが私とサウナの関係で有り、今後の目標でもあります。
どうぞ今後も新橋オアシスサウナアスティルを可愛がってやってください。
ありがとう御座いました。