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【虹の湯大阪狭山店 信田 光晴 素人スーパー銭湯経営者のよもやま話/後編】

■虹の湯大阪狭山店との出会い

 

すっかりサウナの魅力に取り憑かれた私は、家族と一緒に過ごす休みの日にもどうにかしてサウナに入る方法はないかと考え、海や山に家族と遊びに出かけた帰りには必ずスーパー銭湯に寄って風呂と食事を済ませてから家に帰ることをルーティーンとし、家族を銭湯好きにする計画を進めていました。

 

4年前の夏、海に遊びに行った帰りに、家族が一緒に入れる個室温泉があ るということで虹の湯大阪狭山店に寄りました。

我が家は、妻と娘と私という家族構成であり、家族で銭湯に行ったとして も、いつも私は一人でサウナと水風呂を楽しむという形だったのですが、 家族一緒に温泉に入れるというスタイルが新鮮で、私も普段と異なる楽し み方ができましたし、家族もいつも以上に楽しんでくれました。

また個室温泉だけでなく、大浴場も露天前に広がる美しい滝があるなど素 晴らしい施設であると感じ、家族と一緒に頻繁に虹の湯大阪狭山店に通っ ていました。

信田光晴

(虹の湯大阪狭山店:個室温泉)

 

そんな中、1年程前のある日、不動産の仕事の取引先の方からの紹介で虹 の湯大阪狭山店の購入を持ちかけられました。

思い入れがある施設を取得できるチャンスが目の前にきたことに興奮しま した。

ただ、私は銭湯の経営はしたことがないですし、立派な施設で多額の取得 資金が必要となり銀行から借入をしなければ買うことはできないわけで、 大いに悩みましたが、この機会を逃せば一生、銭湯・風呂の仕事に関われ ることはないであろうし、ホテル業の経営と銭湯・風呂の経営はシナジー があると考え取得することを決めました。

 

実際に売買を行う予定であった今年の3月は、新型コロナウィルスの影響 で世の中が混乱し始めていた時期であり、最後の最後までコロナで大変厳 しい時期に素人の私がこんな立派な施設を取得して良いのか迷いがありま した。

私に「サウナと水風呂」への信仰心がなく、純粋にビジネスとして取得を 考えていたならば、コロナウィルス感染拡大を理由に取得を諦めていたと 思います。

取得した直後に、緊急事態宣言による休業を余儀なくされるなど、予想通り厳しい船出となりましたが、緊急事態宣言解除後は徐々にお客様が戻ってきてくださり、まだまだ厳しい時期は続くと思われますが、何とかビジネス的にもやっていけそうな感じとなっています。

 

ただ、私は取得後にある重大な事実に気づくこととなります。

 

 

■自らが運営するサウナでととのえない事実との遭遇

 

私は、虹の湯大阪狭山店を取得して、ある重大な事実に気づきました。

それは、コロナがどうとか、儲かる儲からないとか、そんな事とは桁違いに私にとって重要な事実でした。

 

自らが運営するサウナと水風呂でととのえる確率が極めて低いという事実です。

大浴場の風呂、露天の景色、個室温泉などは本当に素晴らしいと心から思えるが、サウナと水風呂はそう思えないという事実です。

 

「もしかしたら、サウナに入りすぎてととのわない体になったのか」と、 なかちゃんさんの様な悩みを持ちましたが、私の体は「ファンタジーサウ ナ&スパおふろの国」「かるまる池袋」「神戸クアハウス」「ニュージャ パン梅田店」「サウナ&カプセルAMZA」などの名店では引き続き至極の ととのいが体験できるのです。

 

私の体がおかしくなっている訳ではないのであれば、自らが運営するサウナと水風呂が理想と異なっているからだという結論に至りました。

 

しかし、今、虹の湯大阪狭山店をご利用くださっているお客様が、私が理想とするサウナと水風呂を求めておられるかは判らない。

理想とするサウナと水風呂に改装するにはお金が必要だが、世の中は引き続きコロナ真っ盛りの厳しい状態である。

 

この環境下で、本当に理想に向けて進んで良いか迷いがないといえば嘘になりますが、理想のサウナと水風呂を作って、一人でも多くの方にその素晴らしさを伝えなければ、サウナに救われた素人の私がリスクを負って風呂の経営に携わった意味がないと考えています。

今は、理想の水温の水風呂を作るコストの高さに呆然としながら、リブランドと改装に向けた計画を進めています。

 

素人ですので、恐らく失敗も沢山しながらでしか理想には辿り着けないと感じていますが、その過程も楽しみながら理想のサウナと水風呂を作り上げたいと思います。

 

この記事を読んでおられる方々に一度は行ってみたいと思って頂ける様な施設にしたいと考えていますので、今後、叱咤激励、アドバイスなどを頂戴できれば幸いです。

何卒宜しくお願い致します!

 

 

[信田 光晴 プロフィール]

信田 光晴

虹の湯大阪狭山店を運営するホテルザフラッグ株式会社代表取締役社長

1976年生まれ、大阪府出身。

趣味はサウナと筋トレ、サーフィン。