【天拝の郷 柴田 健太郎の 九州サウナは熱かです!/第1回】あのおしゃべり蒸しZのせい
初めまして、福岡県筑紫野市にある、天拝の郷という温浴施設で働いています柴田と申します。
天拝の郷は今年の2月に男性サウナの改装をして、たくさんのサウナーの方にお越しいただける施設になりました。
改装したサウナについてのお話をしたいところではございますが、今回はサウナ好きになるまでの私の話を聞いて下さい。
私は小学生の頃、少年合唱団に入っており一年に一度合唱コンクールが各地であり遠征することがありました。
小学五年生の時、松山に行った際ホテルに宿泊をしていて友達と大浴場でいつもの様にキャッキャとはしゃいでいました。
冒険心でサウナに入ったところ、先客のおじさんに声をかけられました。
「坊主たち!」
うわっ!怒られると思ったら
「サウナの入り方は知っているか?」
と聞かれて、知らないと答えると、
「おじさんが教えてやろう。」
それからおじさんは私たちにご機嫌でサウナの入り方のレクチャーを始めました。
「サウナに6分は入ってないといかん。時計の針が半分進むまでだぞ。」
私たちは、ひぃひぃ言いながら我慢していると
「汗は落としちゃいかん。タオルで拭いて。息が苦しかったら、その濡れたタオルで鼻と口を押えると楽だぞ。」
おじさんは昔の事などを話しながら、おじさんオリジナルのサウナの入り方を力説して、私たちはそれを楽しみながらもかんばってサウナに時間まで入りきりました。
「このあとは水風呂だ。よく体を流したら一気に肩まで浸かれ。」
サウナマスターは弟子たちを連れて、最大の難関にさしかかる。
私は桶で水を体にゆっくりと水をかけて、すぐに叫び飛び上がる。
無理無理無理と思いながらも、友達に根性なしと思われるのが嫌で意地で水風呂に入りました。
たしかほんの数秒しか入れなかったと思います。
「この後はぬる湯にゆっくり浸かる。これが気持ちいいし、体にいい。」
今思えばそのホテルには外気浴スペースもなければ、休憩イスもなかったのでここで休憩していたのでしょう。
「そして中温湯に入って、熱湯に入って、またサウナへ行くのを3回繰り返すのだ。」
少しずつ温度の高いお湯に浸かるおじさんルールはいまだに分からないが、しっかり体を拭いてサウナに入らないといけないと言われたのは今もちゃんと続けている。
私にとっての蒸しZは凄くおしゃべりな方でしたが、サウナに入る基本はしっかりと教えてくれた。
その頃の私はまだサウナの気持ち良さは分かりませんでしたが、少し大人になれた気がして楽しかったのを覚えています。
それからはサウナに入れる機会があれば、子供なのにサウナマスターから伝授されたマナーでしっかり入るようになりました。
そして大人になってもこの習慣は変えずにやっていました。
汗をかいてすっきりするので好きでしたがおじさんが言っていた気持ちがいいという境地に達することはできませんでした。
それはそのはず、ぬる湯のある浴場なんてめったにないので、それをとばして熱い湯にすぐに入っていたからです。
30才を過ぎたある日、仕事が終わってへとへとで近所のスーパー銭湯に行った際、サウナに入った後の水風呂に少し入りすぎてしまいました。
水風呂を出ても、心臓がバクバクする。
やばいくらいにふわふわする。
危険を感じて露天風呂のある外の床にすみに横になりました。
じわじわと体の血管の血流を感じて、目を閉じてもまぶたの裏になんか模様が見えそうなくらいふわふわしていました。だけどなんか凄く気持ちがいい。
10分程したらそれは収まりました。
その日の事はしばらく分からないままでしたが、ある日たまたまネットの記事で銭湯神のヨッピーさんの記事を読んで知りました。
サウナやお風呂の交互浴の後に休憩すると[ととのう]ということを。
それからはサウナにやみつきになりました。
この快感を求めていつもサウナのことを考えてばかり。
これまで温泉旅館やホテル、今は温浴施設で働いていますが、仕事後に入浴できる環境でしたがあまり入ることがない私が、毎日仕事後にサウナに入るようになりました。
もちろん休みの日も近所の銭湯へ行くように。
サウナにハマってからは、ストレスが溜まるとすぐに風邪になりやすかった私が風邪になりにくくなり、健康になりました。
もう一生抜け出せない素晴らしいものを見つけてしまいました。
いつかのおじさんありがとう!
私のサウナ半生をだらだらと下手な文章で書いてしまいすみません。
そして読んでいただきありがとうございます。
来月はサウナの改装に携わるお話ですのでよかったら読んでください。
[柴田 健太郎 プロフィール]
天拝の郷アシスタントマネージャー