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【小京都の湯 高須久美子の 風呂屋の女将はやっぱり風呂屋が好き!/第6回】血圧変動に気をつけた入浴を

寒い季節がやって来ましたね。風邪など引かれていませんか?
この時期、お風呂屋さんはとてもピリピリする季節です。
なぜなら、お風呂場で体調を崩されるお客様が増え、救急対応の必要があるからです。
そんな場面に遭遇したことはありませんか?
私たちの体内でいったいどんなことが起こるのでしょうか?!

 

血圧は、一日の中でも時間帯・運動・食事・入浴などの影響を受けて変化をしています。
特に入浴時は、温度変化や血行の状態などによって上がったり下がったりと血圧の変化が激しくなります。

 

風船に水を入れた状態を思い浮かべて下さい。たくさんの水を入れれば風船にかかる圧力は増しますし、逆に大きな風船を使えば、同じ水の量でも風船にかかる圧力は減ります。血液も同じような仕組みで、心臓から送り出された血液の量が増えれば血圧は上がり、また同じ血液量でも、血管が広がれば血圧は下がります。

 

入浴は、この「血液の量」と「血管の広さ」の両方に影響していて、そのことが原因となって大きな血圧の変化を引き起こします。
血管は、体を冷やすと収縮し、体を温めると拡張します。

 

お風呂に入る際、脱衣所で服を脱ぐと、体が冷やされるため、血管が収縮して血圧が上がります。

 

湯舟に入った瞬間は、お湯の熱によって交感神経が刺激されるため心臓から送り出される血液量が増え血圧は更に上昇します。しばらくお湯につかっていると今度は体が温められたことによって血管が拡張しまた身体も上がってしまった血圧を下げるよう働くため血圧が下がってゆきます。


湯舟から上がり脱衣所へ向かう際には身体はまた外気に触れ冷やされるため血管が収縮し、再び血圧が上がります。

高須久美子

入浴時は、ほんの数分間の間に、こんなにもめまぐるしい血圧変化が起きていて、入浴時の転倒や意識低下は、急な血圧の変化に起因しているケースが多くあります。
このように急激な温度変化によって血圧が乱高下したり脈拍が変動する現象が「ヒートショック」です。

 

お風呂場で気分を悪くされるのは、お年寄りに限りません。
自分は大丈夫!と過信せずに冬場は下記のことをしっかり守った入浴を心がけましょう!

 

《血圧の変動を踏まえた予防策》

① かけ湯は念入りに
湯船に入った時に血圧の変動が激しくなるので、いきなり浴槽に入るのではなく、まず心臓から遠い手足から身体に湯をかけて、お湯に体が十分に慣れてから浴槽に入りましょう。また、先に体を洗うことで体が適度に温まります。

② 入浴前後にコップ1杯の水を飲もう
寒くなると水分補給が疎かになりがちです。
水分補給不足で倒れる人が実際に多いんですよ。

③ 急に立ち上がらないで
浴槽から出る時などに急に立ち上がると、血圧が急激に下がり立ちくらみを起こして危険です。頭を上げ下げする行為は出来るだけスローを心がけましょう。

④ 食後1時間以上空けてから入浴をしよう
食後は消化器官に血液が集まっています。血圧が少し下がり気味になるので注意が必要です。

 

今回で最後の投稿となりました。
短い間ではありましたが、ご覧いただきありがとうございました。

もし機会がございましたら、愛知県西尾市「癒しの里小京都の湯」に是非お立ち寄りください。
今年も引き続き、日刊サウナをご愛顧いただきますようお願い致します。

 

 

高須 久美子プロフィール]

高須久美子

 

株式会社豊和 癒しの里小京都の湯 女将(支配人)。

LDHをこよなく愛し、趣味は美味しいものを食べる事。

【HP】https://www.show-kyoto.com
【Facebook】癒しの里 小京都の湯
【Twitter】@しょきょとん
【Instagram】@showkyoto_no_yu