【漢方薬湯 旭川健康ランド 富居慶幸の 北の風呂から ’20 あまみ/第3回】
日刊サウナをごらんの皆様、旭川健康ランドの富居です。
前回に引き続き自店舗の事をつらつらと。
2010年代に入ると改装も多岐に渡り、洗い場にあえて髪染めOKの箇所を設けてみたり、POSレジを導入したりとほぼ館内手を付けましたが、なにか新たな要素を取り入れたいと感じていた時期でした。
それもあり、視察で訪れたラクーアさんで人生初のロウリュ(当時の視察メモを確認すると、2013年時点ではアウフグースではなくロウリュでした)を受けたのもこの頃で、カルチャーショック(と熱波)を受けました。
自店舗でロウリュが出来ないかとメトスさんにイズネスの問い合わせをかけた結果、当時まだ北海道ではイズネスのメンテ環境が整っておらず断念したという経緯もありました。
代替として提案頂いたikiストーブを、数年後に違った形で導入する事になるとは、この時は思いもよらず。
サウナの話とはちょっとずれますが、おふろ甲子園との出会いもこの頃でした。
2015年の第3回に初参加し、ありがたい事に決勝大会まで出場させて頂いたのですが、前日のリハで緊張しまくっていたスタッフ達が、本番で見事にやりきったのを見た感動は今でも忘れません。
僕も以降は運営側として関わらせて頂く事になり、その時に出会った方々との大切な繋がりは今でも続いております。
その結果、巡り巡ってこの連載をする事になっちゃったのですが。
その後、保守的な客層ゆえにサウナでのロウリュになかなか踏み切れないでいたところ、岩盤浴室でロウリュするなら温度もマイルドだし、元々無かった岩盤浴を最初からロウリュありきで立ち上げてしまえば案外受け入れてもらえるのでは?と思い至りまして。
小京都の湯さん等にお伺いして視察をさせて頂いたところ、「これなら性別問わず幅広い年齢層にも利用してもらえる」と実感し、元居酒屋テナントスペースだったデッドスペースを活用し市内初の岩盤浴ロウリュを導入しました。
最初は「暑くて入っていられない」とか「もっと静かに岩盤浴入りたいから出ていくわ」と言われる事もありましたが、そのうちリピーターも付き、スタッフも自ら「次のロウリュ行きたいです」や「参加者多かったら手伝うからすぐ呼んで」と率先して入りたがるようになりました。
今ではすっかりお客様にも根付いてくれたと思います。
それでもロウリュ欲は収まらず。
最終的に「ロウリュ専用のサウナ室を別で作ればいいのでは?」という発想に至ったもののそんな増設スペースもなく。
結果、建物を弄らない試験的導入という事でテントサウナを購入しました。
火気の取り扱いなど安全面に充分注意をした上ではありますが、「他者との距離を気にせずプライベートな空間でロウリュを楽しめる」という、ある意味今の時代にフィットしたアイテムなのかもしれません。
機械的なものが絡まないので、後で洗い流す前提でほうじ茶ぶっかけてロウリュしてみたりと、色々試せる自由さもありますし。
ただ、それも思うような使い方には至らず。
時代にフィットしてないのは10年以上アップデートされない自治体の公衆浴場条例ですね。
こればかりは本当にどうにかした方がいいと思います。
さて、長々と駄文にお付き合い頂いた皆様。
結果として、ただの自店舗の歴史の振り返りになってしまいました、すみません。
でも読んで頂き本当にありがとうございます。
既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、この度、旭川健康ランドは11月末をもってすべての営業を終了とし、閉館する事となりました。
この文章が世に出る頃には、残り1カ月半の営業期間を残すのみとなります。
そういう状況でこの連載を続けるか判断に悩みましたが、幕が下りる瞬間までを書き記す事で何かのお役に立てるのであれば、という思いに至りました。
多分あと2回、宜しくお願いします。
[富居 慶幸プロフィール]
漢方薬湯 旭川健康ランド
株式会社アサヒHL 代表取締役
1976年北海道産
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