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【漢方薬湯 旭川健康ランド 富居慶幸の 北の風呂から ’20 あまみ/最終回】

日刊サウナをごらんの皆様、旭川健康ランドの富居です。11月30日にて旭川健康ランドは閉館致しました。これまでご利用頂いた全ての皆様に心より厚く御礼申し上げます。最後になってしまうからと、こんなご時世にも拘らず各地から駆けつけてくれた方々、同じ温浴に関わる仲間、本当に感謝しております。サ活やツイート、中にはアンケートに記入してくれた方まで…。ありがとうございます、ちゃんと読ませて頂いております。というわけでこちらの連載も最終回となります。

 

ラスト1カ月はなんというか、あっという間に過ぎ去りました。そしてお店を閉めた経験のある方からよく聞く通り「こんなにお客さん入るならまだ続けられるのでは?」と思ってしまう瞬間もありました。とはいえ、旭川がこんな強烈な状況になるとは(12月初旬現在)。閉店ブーストが無ければ酷い事になっていたかもしれません。

 

そんな中、前回お知らせしていた「このタイミングを逃したら実現出来なかったね」と当事者達も後日話していた熱波師ロウリュイベント、無事開催する事が出来ました。情勢的に直前でやむを得ずキャンセルが出る等ありましたが、ほぼ全ての枠で定員に達する人数の方々に体験して頂けました。

 

熱子さん、前日に市内某宿泊施設(サウナの上にホテルが建ってる所)のお部屋から気合充分な動画をアップされていた事もあり、安心して当日を迎えていたのですが、1枠目開始で撹拌し始めたところから最後までずっと目を奪われっぱなしでした。力強く風を操ったかと思えば、しなやかに舞うようなアウフグース。邪魔にならないように端っこでサポートに徹していたのに僕もサラッと扇いでいく熱子さん。最後には「どこから吹いているんだ?この風は」という状態になっておりました。

 

渡会さんは立ち振る舞いから所作まで全てがやはりエレガントでした。熱子さんもおっしゃっていましたが、普段は水平か上方向に打ち上げ気味に扇ぐところを、岩盤浴ロウリュ特有の打ち下ろす扇ぎに少々苦戦されたとの事でしたが、最終的には打ち下ろしの強扇ぎ「エレガントスパーク」という新技を生み出すというおまけ付き。もちろん、サウナロウリュではニコーリフレさながらの雰囲気とお馴染みの掛け声で熱波を送っていました。

 

そんなお二人がコラボされた枠の事を僕は一生忘れません。事前リハから内容までお二人にあえてお任せさせて頂き、サポートも不要だと思い本番は記録用の撮影に徹する予定だったのですが…。詳細は伏せますが、熱子さん、渡会さん、素敵なサプライズ本当にありがとうございました。

 

イベント中に施設側の人間として感じた事を少々。弊施設の岩盤浴は最初からロウリュありきで稼働していたので特に問題は無かったのですが、今回が初開催となるサウナロウリュの際に、やはり通常のサウナを目当てにしている客層との共存には努力と時間と工夫が必要なのだなと思わされる場面がありました。自分のペースを乱されるのが嫌なのはわかるのですが…。今現在サウナでロウリュサービスを実施している施設の方々も、こういう課題を乗り越えて今があるのかと。勉強になりました。
それと、女性限定枠を設けてみて実感したのですが、もっと女性サウナーを増やしていかないといけないなと思いました。今回は「今まで館内でこんなに見た事ある?」って思うくらいサウナ系のグッズやアパレルを身に着けた女性にお越し頂きました。恐らく遠征組が主で。もちろん市内の女性サウナーさんもいらっしゃいますが、総数からいくと首都圏のようには…。サウナが流行っていると言われるものの、普段からもっとライトユーザー含めた女性の方々に興味を持って頂き、旭川のような地方の施設でも安定してイベントに参加してもらえるような環境になると、施設側もきっと更なるチャレンジが出来るようになると思います。裏を返すと、施設側にはそういう環境を作る工夫がもっと必要だなと。女性サウナーの皆様、これからも大好きな施設にいっぱい通ってあげてください。出来ればサウナにちょっと興味を持ち始めた人を誘って。施設側の方々には、そんな人達がそのままずっぽりサウナ沼に沈むように仕向けて頂きたいです。

 

さて、長々とお付き合い頂きありがとうございました。今の率直な気持ちを言えば、喪失感や寂しさと、どこかで無事に終えられた安堵感がごちゃ混ぜになった感じです。そして、お風呂・サウナが好きな人達のおかげでとても幸せな日々を過ごせていたのだなあと実感しております。今後は温浴業界から離れる事になるのか、それとも何かしらの形で引き続き関わっていくのか。個人的にはいつかまた風呂屋を名乗りたい気持ちはありますが、どうなることやら。そんな日が来た際には温かく迎え入れて頂ければ幸いです。

 

それでは一旦、失礼致します。十数年ぶりに、「仕事納めは大晦日、仕事始めが元旦」という持ちネタを使わずに年末年始を過ごします。今までお世話になった皆様、本当にありがとうございました。ではでは。どこかのサウナで。

 

 

[富居 慶幸プロフィール]

富居 慶幸

 

漢方薬湯 旭川健康ランド
株式会社アサヒHL 代表取締役
1976年北海道産

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