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【サウナ活動家やのしんの脳汁トロトロ/第4回】まだサウナはブームじゃない

やのしん皆さんは「いま、サウナがブームになっている」と思うでしょうか?

恐らく多くの方がイエスと答えると思いますが、僕の中では明確にノーです。

今はまだ、サウナはブームの火種が生まれかけている程度だと感じています。

 

「何を根拠に?」と思うかもしれませんが、僕にとって「ブームになる」とは近年の「タピオカ」レベルのことを指します。

タピオカをブームと呼ぶに相応しい要素としては、

「①女性に人気になったこと」

「②新規店舗が次々と生まれたこと」

「③関連商品が沢山生まれたこと」

などがあります。

サウナはどうでしょう?①も②も③も十分に満たしていないですよね。

それ故に僕は「まだサウナはブームになっていない」と言うのです。

 

「そもそもサウナがブームになる必要があるか」については意見が分かれそうですが、少なくとも僕はブームになることを望んでいます。

その理由は以前の記事にも書いた通り、「自分がおじいちゃんになった時にも今くらい沢山のサウナ施設があってほしい」からです。

前提として共有しておかなければいけないのは、「サウナ施設は現状さほど儲かっていない」ということです。

利用者が今以上に増えなければいけないのはもちろん、儲け方の仕組みにも改革が必要です。

今のまま利用者が横ばいか微増であれば、きっとそう遠くない未来、サウナ施設の数は減少の一途をたどることでしょう。

そんな未来は悲しいので、利用者が爆発的に増えて欲しいし、それに伴って新規参入も続々生まれて業界に刺激を与えてほしいのです。

 

「利用者」というところに焦点を当てると、ブームにおいては「女性に刺さること」が絶対条件です。

タピオカ、『鬼滅の刃』、『愛の不時着』など、流行るもののほとんどは女性に刺さっています。

サウナ業界においてもベースとして「女性利用客が男性に比べて明らかに少ない」という状況があるので、そういう現状を変えていく意味でも女性に刺さることは非常に大事です。

でも今は「一般の女性にがっちり刺さった」とは到底言えない状況です。

あくまで微増止まりですよね。

 

だからこそ、女性に向けての様々なアプローチが必要になってきます。

実際、サウナしきじの笹野さんが「美サウナ」をテーマに美容×サウナを提唱したり、女性漫画家の大町テラス先生が女性を主人公にしたサウナ漫画を執筆されたり、sauna lineさんのように女性に向けたサウナアパレルを展開する方たちが出てきたり、安住麻里さんがサウナ好きのカワウソというイラスト/漫画で施設紹介を行ったり等々、取り組みは少しずつ生まれてきています。

僕は僕なりに、自身のブログのインタビュー企画で女性芸能人の方を多くフューチャーすることで、女性が自身のサウナ愛をオープンにしやすい土壌を作っているつもりです。

でも、これらはまだそれぞれが小さな波紋のひとつでしかありません。

これからこれらを束ねて大きなうねりを作っていくような、そういうことが出来る女性の登場が望まれます。

(そういうポテンシャルを秘めた逸材を見出すことも、僕は自分に勝手に自分のやる事リストに入れています)

 

たぶんなんですけど、「女性に刺さること」は新規参入や関連商品が生まれる土台として必須の要件なのだと思います。

うまく女性に刺さって新規施設が参入してきたら、既存の施設は「何とかしないと」という意識が高まって、そこで競い合いが起こって何か新しいサービスや施設の運営の仕方が生まれてくるのだろうと思います。

また、関連商品が生まれれば今までとは違うきっかけでサウナに関心を持つ人が増えて、より利用者が増えていくのかなと思います。

そんな風に良い循環を作っていきたいなと、結構本気で思っています。

 

ブームの是非については面倒なので議論はしませんが、これだけは事実として言っておきたいと思います。

「いまの日本にサウナ文化があるのって、そもそも東京オリンピックを契機にサウナブームが起こったからですよね。」

サウナの未来を、みんなで明るいものにしていけたら素敵ですね。

 

 

[やのしんプロフィール]

やのしん

サウナ活動家。サウナブログ『ザっくりととのうサウナ入門』や、サウナ・銭湯関連のトークイベントや交流会を運営。今まで100軒以上のサウナ施設を訪問。本業はシステム開発会社の営業。

1986年生れ、静岡市出身、川崎市在住。趣味/興味はプロ野球、落語、お笑い、珈琲、死生学、昼寝。

Twitter:@yn4ro