【サウナ活動家やのしんの脳汁トロトロ/第7回】「○○×サウナ」の必要性
僕は時おり「これから先、サウナが生き残っていくためには何が必要だろうか?」という問いについて考えているのですが、今のところの答えとしては「『○○×サウナ』の掛け合わせを増やしていくこと」だと思っています。
「サウナ×〇〇」ではなくて「〇〇×サウナ」。
要するに、「何かのオマケとしてサウナがある」という掛け合わせをたくさん作っていくことが大事ではないかと思うのです。
サウナをメインに据えてしまうと、「ある程度サウナに興味がある人」がメインターゲットになってしまうというのがもったいないですよね。
「サウナに興味がない人をいかに取り込んでいくか」という所に重点を置いていかないと、一応世間的に言われている現在のサウナブームが去ってしまったら新規利用者の数がガクッと落ちてしまい、サウナ業界は衰退を免れないでしょう。
「〇〇×サウナ」をより具体的に言うと、例えば最近若者の間で「チル」(心身ともにリラックス状態になること)が流行っていますが、「サウナ×チル」ではなく「チル×サウナ」と表現する方がチルを求める層にアプローチ出来ると思うのです。
より明確な言葉にすると、「サウナに入ってチルしませんか?」じゃなくて、「チルするためにサウナを利用しませんか?」と訴えるということです。
個人的には、響きが似ているようでも伝わり方は随分と違うと思うのですが、いかがでしょうか?
ちなみに、「〇〇×サウナ」の可能性を広げる上で重要な役割を担うのがテントサウナです。
「BBQ×サウナ」「アウトドア×サウナ」の掛け合わせで、”ついで”でテントサウナに入ってみたことをきっかけにサウナを好きになってくれる人が非常に増えたと思います。
「音楽フェス×サウナ」というパターンも、サカナクション主催のフェスで生まれましたよね。
ちなみに、僕個人の活動として先日行ったのは「哲学対話×サウナ」です。
「哲学対話」というのは、知識マウントではなくあくまで各々の考えによって「なぜ?」「どうして?」という問いについての意見を出し合うというものなのですが、「なぜ人はサウナに入るのか?」という問いをテーマにしたイベントを催しました。
イベントは大成功で、サウナ好きの参加者にとってはいま一度「自分にとってサウナとは何なのか?」を見直す機会になり、サウナを知らない参加者にとっては「流行ってるから」「ととのうから」という意見より一層も二層も深い視点でサウナの魅力を知れる機会になりました。
「〇〇×サウナ」の掛け合わせは色々と考えられるはずで、より美味しく食事を楽しむための「美食×サウナ」や、よりオープンマインドで語れるようにする「カウンセリング×サウナ」などというのもアリなんじゃないかと思います。
他にも「クラブミュージック×サウナ」「仏教×サウナ」「廃墟×サウナ」「スポーツ×サウナ」などなど、その可能性は無限の広がりがあります。
これらのことをやるのは、やはりサウナブームと言われている今こそ効果を上げやすいものだと思います。
ぜひ読者の皆様も「〇〇×サウナ」について考えてみて、思いついたものを行動に移したり、誰かに話したりしてみて下さい。
これからも皆でサウナを支えていきましょう。
[やのしんプロフィール]
サウナ活動家。サウナブログ『ザっくりととのうサウナ入門』や、サウナ・銭湯関連のトークイベントや交流会を運営。今まで100軒以上のサウナ施設を訪問。本業はシステム開発会社の営業。
1986年生れ、静岡市出身、川崎市在住。趣味/興味はプロ野球、落語、お笑い、珈琲、死生学、昼寝。