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【KGN機械室日記#85】テントサウナ安全ガイドライン策定への動き

久下沼伊織

近年、急速に多くの人がテントサウナを楽しむようになり、安全対策やマナーへの課題が出てきています。
テントサウナが日本で文化として定着できるように、ユーザー共通の安全とマナーを啓蒙したいという思いから、「安全ガイドライン」策定への動きが始まっています。
既に起きているトラブルや危惧する点などを、Sauna Camp.の大西さんと兼康さんにお伺いしました。

久下沼伊織

▲ツイッターのリアクション件数(2021年4月末現在)からも反響がうかがえる

 

お二方は長くキャンパーとしての経験をお持ちで、その視点からもSNSには危険だと感じる投稿が少なからずあると言います。
ロープの張り方・固定が不十分とか、DIYでこしらえたテントサウナで火事を招きそうなもの、ダムの放水が起きたらすぐに流されそうな所に設置しているなど、キャンプ経験があればわかる「野営の基本」から外れた投稿を見つける度に直接安全を呼びかけてきたそうです。
中にはロウリュを勘違いし、アロマオイルをそのままストーブに滴下しようとしていた例なども!
そういった方のほとんどは、危険性を正しく認識していなかったことに起因し、事故や怪我はアウトドアの経験や知識で防ぐことができるので、それを運営者・参加者に広く知らせていく必要があると感じているとのこと。
こういったヒヤリハットの事例と共に、各方面の意見を収集し「安全ガイドライン」の策定を始めています。

久下沼伊織

▲ウェブサイトで初版が公開されており、随時意見を募集している

 

私は施設を運営する視点から、公衆浴場法に基づいたサウナの管理項目、保健所から指導を受ける項目、水風呂の衛生管理リスクなどをお伝えしました。
スタッフにロウリュを行わせる際の指導事項(石が割れることや水蒸気の火傷、参加者の体調確認など)、温度計や時計の重要性、汗の処理など、日常の営業で神経を使う部分をテントサウナユーザーも意識する必要があると感じています。
個人で楽しむことと、営業やイベント等の主催者として商売として行う場合ではもちろん責任が違いますが、いずれにしてもテントサウナを通した事故が発生すれば、「テントサウナ=危険なもの→規制の対象」という図式になるのは容易に想像がつきます。

久下沼伊織
この安全ガイドラインは“テントサウナに関わる全ての方”を対象に進められています。
ユーザーはキャンプ場で実際に楽しむ際のセルフチェックになり、イベントを企画する人は、安全に運営する目安のひとつとして活用できます。
そしてまだまだ存在自体を知らないキャンプ場でも理解を深める手助けになれば嬉しいとお二人は語ります。
危険性を理解し安全に楽しめる環境が、やがて文化につながっていくのだと思います。
その礎を担うSauna Camp.さんの取り組みに敬意を表します。

[Sauna Camp]
HP https://saunacamp.net/  Twitter @SaunaCamp

 


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[オフロ保安庁長官 久下沼伊織 プロフィール]

オフロ保安庁長官(天然温泉 満天の湯 取締役統括支配人)
温浴業界ナンバーワンの機械室テクニシャン。配管・バルブ・ろ過機等の温浴配管愛に満ちている。生きる楽しみは「食う・寝る・(風呂に)浸かる」。
■2005年 大手フードチェーンを退職後、天然温泉満天の湯に入社。2ヶ月で店長に。
■2012年 オフロ保安庁発足と共に、長官に就任。
■2014年 (一社)ニッポンおふろ元気プロジェクト理事に就任。
■2019年 天然温泉満天の湯 常務取締役に就任。おふろアイドルOFR48劇場支配人に就任。
KGN@オフロ保安庁長官【farmer】